【受給例】統合失調症で障害基礎年金2級を3年半遡りで受給、約280万円を受給できたケース

ご相談者様の状況

  • 性別:女性
  • 年齢層:20代
  • 職業:障害者雇用
  • 傷病名:統合失調症
  • 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
  • 年間受給額:約83万円(遡及280万)

ご相談にいらっしゃったのは、20代後半の女性の方でした。統合失調症の診断を受けて治療を続けておられましたが、日常生活に大きな支障をきたしており、お父様が付き添ってご相談にお越しになりました。

この方は令和2年5月頃から精神的に不安定な状態が続いており、深夜に車道の中央で寝入っているところを警察に保護されたり、自宅の家具や家電を破壊するなどの行動が見られるようになっていました。令和2年10月には右足首を大きく裂傷する事故があり、救急搬送先のA病院で精神科の受診を勧められたことが、初めて医療機関を受診したきっかけとなりました。

その後、B病院を経てC病院に医療保護入院となり、本格的な治療が開始されました。入院中は興奮状態が続き、退院後も陽性症状に苦しめられる日々が続きました。

就労と日常生活の困難

退院後は障害者雇用として高齢者施設や食品卸会社で働く機会を得られましたが、幻聴や幻視などの症状が続き、業務中に突然帰宅してしまったり、エアコンが話していると思い込んで話しかけるなど、現実と空想の区別がつかない状態でした。職場では倉庫の見張り役という名目で、実際には作業を見ているだけの業務しか任せてもらえない状況が続いていました。

日常生活でも、お父様以外との交流は困難で、お父様に対しても物を投げつけるなど意思疎通が難しい状態でした。窓を開けて突然叫んだり、壁や隣人のドアを激しく叩くなど、不適応行動も目立っていました。食事や入浴、着替えなど基本的な日常生活動作も、自発的にできない状況が続いていたのです。

受給までのサポート

初回のご相談で詳しくお話を伺った結果、障害年金の受給要件を満たしていることが明らかでした。特に初診日が令和2年10月10日と明確であり、そこから1年6か月後の障害認定日での請求が可能であることをご説明しました。

最も重要だったのは、就労の事実があったことです。週3~4日はフルタイムで就労されており、障害年金2級の程度と認められるかどうか、ここが争点になることは明確でした。初診日から現在までの病歴や就労状況、日常生活の困難さを正確に伝え、複数の医療機関を転院されており、治療の経過が複雑でしたが、丁寧にヒアリングを行い、時系列に沿って整理。職場の上司に意見書を書いていただいたり、会社から発行された懲罰の書類を添付し審査員に、「就労は一応しているものの、到底就労能力があるとはいえない。」旨を主張しました。

病歴・就労状況等申立書の作成では、発症時の深刻な状況から、入院治療の経過、退院後の就労の困難さ、そして現在に至るまでの日常生活の制限について、具体的なエピソードを交えながら詳細に記載しました。警察に保護された経緯や、救急搬送を拒否し続けた状況、入院中の興奮状態、職場での不適応行動など、ご本人とお父様からお聞きした内容を丁寧に反映させていただきました。

受給決定の結果

申請から数か月後、障害基礎年金2級の認定という結果をいただくことができました。さらに、障害認定日に遡っての請求が認められ、約3年半分の遡及受給により、約280万円の年金を一括で受け取ることができました。

この遡及金額は、ご本人とご家族にとって大きな支えとなったことかと思われます。

統合失調症での申請のポイント

統合失調症は、幻聴や妄想などの陽性症状だけでなく、意欲の低下や感情の平板化といった陰性症状も伴う疾患です。症状の変動が大きく、一見すると症状が軽くなったように見える時期もありますが、日常生活や就労面での困難は継続していることが少なくありません。

このケースでは、障害者雇用として働いているという事実だけを見ると、障害の程度が軽いように思われがちです。しかし実際には、倉庫の見張りという限定的な業務しか任せられておらず、業務中にパニックになったり勝手に帰宅してしまうなど、通常の就労とは言えない状態でした。こうした実態を申立書や診断書で正確に伝えることが、適切な等級での認定につながりました。

また、日常生活状況についても、食事や入浴といった基本的な動作から、家族とのコミュニケーション、近隣との関係まで、具体的な困難さを示すことが重要でした。

最後に

統合失調症をはじめとする精神疾患での障害年金請求は、症状の複雑さや日常生活への影響の伝え方が難しく、ご自身やご家族だけで進めることに不安を感じる方も多くいらっしゃいます。

私たちは、初診日の確認から書類作成のサポート、申請後のフォローまで、一貫してお手伝いさせていただいております。統合失調症での受給実績も豊富にございますので、どうぞお気軽にご相談ください。ご本人様の状況に合わせて、最善の方法をご提案させていただきます。

投稿者プロフィール
土江 啓太郎
土江 啓太郎
皆様、グロースリンク社会保険労務士法人の代表、土江 啓太郎です。私たちの事務所は、”幸せ”と”利益”を両立する「いい会社」を増やすことを経営理念として、皆様の職場での様々な課題に対応しております。特に、障害年金の請求をお考えの皆様には、適切な手続きをサポートし、権利が確実に守られるよう尽力しています。私たちのミッションは、職場の健全な発展をサポートし、労働者の皆様が安心して働ける環境を提供することです。長年の経験と専門知識を活かして、障害をお持ちの方々が公正な支援を受けられるように助言及びサポートを提供させて頂いています。障害年金についてご不明な点があればどうぞお気軽にご相談ください。
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