障害年金は稼ぎすぎると止まってしまうの?【専門の社労士が徹底解説!】

こんにちは!

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

障害年金の受給を検討されている方、または既に受給中の方から「お給料をもらいすぎると障害年金が止まってしまうのでしょうか?」というご質問、よくいただきます。障害を抱えながらも働き続けたい、少しでも収入を得たいとお考えの方にとって、これは非常に重要な問題ですよね。老齢年金のことを知っている方ですと、老齢厚生年金の制度である「在職老齢年金」とごっちゃになっていることも。

今回は、障害年金における所得制限について、専門の社労士が詳しく解説させていただきます。

障害年金は基本的に所得制限がありません

まず結論からお話しします。一般的な障害年金の受給においては、所得制限は設けられていません。つまり、どれだけお給料をもらっていても、障害年金は満額受給することができます。

これは障害年金の大きな特徴の一つです。例えば、月に30万円のお給料をもらっていても、年収が500万円あっても、基本的には障害年金の受給には影響しません。

ただし、「基本的に」と申し上げたのには理由があります。実は、特定の条件に当てはまる方については、例外的に所得制限が適用される場合があるのです。

所得制限が適用される2つの特別なケース

障害年金の受給において所得制限が適用されるのは、次の2つのケースに限られます。

ケース1:20歳前に初診日がある方

20歳になる前に初診日がある傷病を原因として障害年金を受給している場合、所得制限の対象となります。

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師等の診療を受けた日のことです。同じ病気で転医があった場合でも、一番最初に医師の診察を受けた日が初診日となります。

例えば、生まれつきの知的障害をお持ちの方や、18歳の時に事故で脊髄損傷を負った方などが該当します。これらの方は出生日や18歳の時が初診日となるため、20歳前初診の障害年金受給者として所得制限の対象となるのです。

なぜこのような制限があるのでしょうか。通常の障害年金受給者は、初診日までに年金保険料をしっかりと納付しています。しかし、20歳未満の方は年金保険料を支払う義務がないため、保険料を納めていないにも関わらず特例的に障害年金を受給できます。この公平性を保つために、所得制限が設けられているというわけです。

ただし、20歳前に初診日があっても、その時点で就職していて厚生年金に加入していた場合は話が別です。この場合はお給料から年金保険料が天引きされているため、所得制限は適用されません。障害基礎年金と障害厚生年金の両方を満額受給することができます。

ケース2:特別障害給付金を受給している方

特別障害給付金を受給している場合も、所得制限の対象となります。

特別障害給付金の対象となるのは、過去に国民年金への加入が任意だったために年金制度に加入しておらず、障害を負ったけれども障害年金を受給できない方です。具体的には、平成3年3月以前の学生や昭和61年3月以前の会社員・公務員等の配偶者が該当します。

この制度は国民年金制度の発展過程で生じた特別な事情を考慮した福祉的措置として創設されたため、一般の障害年金受給者との公平性を保つために所得制限が設けられています。

実際にいくらまで稼げるのか?

それでは、所得制限が適用される場合、具体的にいくらまで稼ぐことができるのでしょうか。

前年の本人所得額が370万4千円以下の場合は、障害年金が全額支給されます。370万4千円から472万1千円までの場合は、障害年金が半分に減額されます。そして472万1千円をこえると、障害年金は全額停止となってしまいます。

ここで重要なのは「所得」であるという点です。年収ではありませんのでご注意ください。年収とは税金や保険料が引かれる前の総額ですが、所得は給与所得控除や各種控除を差し引いた後の金額です。

例えば、年収が500万円あっても、各種控除を差し引いた所得が370万円以下であれば、障害年金は全額支給されます。

所得情報は自動的に伝わります

所得制限の対象となる方の所得情報は、基本的に自動で年金機構に伝わります。そのため、所得が制限額を超えた場合でも、特別な手続きは必要ありません。

ただし、まれに年金機構が所得情報を取得できない場合があります。その際は「所得状況届」が郵送で届きますので、市町村役場で所得の証明を受けてから年金事務所へ提出する必要があります。

前年所得が制限額を超えていた場合、10月から1年間の障害年金が減額または停止されます。その後、所得が制限額未満に下がれば、障害年金の支給は自動的に再開されます。

所得制限中でも更新手続きは必要です

所得制限により障害年金の支給が停止されている場合でも、更新時の障害状態確認届の提出は必須です。

障害年金は基本的に有期認定となっており、定期的な更新手続きが必要です。更新時期は年金証書の下段に記載されています。もし更新手続きを怠った場合、所得に関係なく年金の支給が再開されない可能性がありますので、必ず期限内に提出するようにしてください。

まとめ

今回は、障害年金における所得制限について詳しく解説させていただきました。

基本的に障害年金には所得制限はありませんが、20歳前に初診日がある方と特別障害給付金を受給している方に限り、所得制限が適用されます。該当する方は前年の所得が一定額を超えると、障害年金が減額または停止される可能性があります。

しかし、これらの制限があっても働くことを諦める必要はありません。障害を抱えながらも働き続けることは素晴らしいことですし、制限額内であれば障害年金と給与収入の両方を受け取ることができます。

もし障害年金の受給について不安や疑問がございましたら、お気軽にグロースリンク社会保険労務士法人までご相談ください。無料相談を鋭意実施中。あなたの状況に応じて、最適なアドバイスをさせていただきます。

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