喘息って障害年金の対象なの?【専門の社労士が徹底解説!】

こんにちは!

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

今回は、喘息(気管支喘息)と診断された方が障害年金を受給できるのかについて、詳しく解説していきたいと思います。

「喘息で障害年金がもらえるなんて知らなかった」という方も多いのではないでしょうか。ゼェゼェ、ヒューヒューと音が鳴る喘鳴(ぜいめい)や、夜にひどくなる喘息の症状でも、治療しているにもかかわらず症状が1年6ヶ月以上続いているようであれば、障害年金を受給できる可能性があるんです。

喘息でも障害年金は受給できる!

結論から申し上げますと、喘息によって日常生活や仕事に支障が出ている場合は、障害年金の支給対象となります。ただし、日本年金機構が定める一定の基準を満たしている必要があります。

まずは、障害年金の制度について簡単にご説明しますね。

障害年金とは?

障害年金は、原則として病気やケガのために初めて病院を受診した日(これを「初診日」といいます)から1年6ヶ月後から受給することができます。喘息の場合、初診日から1年6ヶ月経過する前に在宅酸素療法を開始した場合は、在宅酸素療法を開始した日から受給することができます。

障害年金には、初診日に加入していた年金制度に応じて2つの種類があります。

障害基礎年金について

初診日に国民年金に加入していた方が対象となります。具体的には、自営業、アルバイト、学生の方、厚生年金加入者の配偶者(第3号被保険者)、そして20歳より前に初診日があり年金に加入していなかった方(先天性疾患等)が該当します。

障害厚生年金について

初診日に厚生年金に加入していた方が対象です。20歳より前に初診日があっても、厚生年金に加入していれば障害厚生年金の対象者となります。

障害基礎年金では日本年金機構の定める障害等級1級又は2級に認定された方に、障害厚生年金では1級から3級に認定された方に障害年金が支給されます。

障害年金を受給するための条件

障害年金を受給するためには、おおまかにいうと2つの条件を満たしている必要があります。

1つ目は、保険料の納付要件です。初診日の前日時点で、初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていることが必要です。若しくは、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことという特例もあります。

この保険料の納付要件を満たしていなければ、どんなに症状が重くても障害年金を受給することはできません。自分が納付要件を満たしているかは、お近くの年金事務所で確認することができます。

2つ目は、障害の程度の要件です。初診日に国民年金に加入していた方は1級又は2級、厚生年金に加入していた方は1級から3級のいずれかに認定される必要があります。

どのくらいの症状であれば何級相当なのか、おおまかに示すと次のようになります。

1級は症状のため日常生活が一人では困難で、活動範囲がおおむね寝室や病室に限られる状態です。2級は症状のため日常生活が一人では制限があり、活動範囲がおおむね自宅内に限られる状態です。3級(障害厚生年金の場合のみ支給されます)は症状のため日常生活や労働に制限がある状態となります。

喘息の認定基準について詳しく解説

ここからは、喘息で障害年金を受給するための具体的な認定基準について詳しくご説明していきます。

慢性気管支喘息の認定基準

気管支喘息の認定基準では、重要なポイントは「薬でコントロールできない状態」であることです。つまり、最大限の薬物治療を行っているにもかかわらず、症状が抑えられない場合に障害年金の対象となります。

1級に該当するのは、最大限の薬物治療をおこなっても発作強度が大発作となり、無症状の期間がなく一般状態区分表のオに該当する場合であって、予測肺活量1秒率が20%以下(測定不能を含む)、かつ、動脈血ガス分析値が動脈血酸素分圧55Torr以下または動脈血炭酸ガス分圧60以上で、常に在宅酸素療法を必要とするものとされています。

2級に該当するのは、呼吸困難を常に認め、常時とは限らないが酸素療法を必要とし、一般状態区分表のエまたはウに該当する場合であって、プレドニゾロンに換算して1日10mg相当以上の連用、または5mg相当以上の連用と吸入ステロイド高用量の連用を必要とするものとされています。

3級に該当するのは、喘鳴や呼吸困難を週1回以上認め、非継続的なステロイド薬の使用を必要とする場合があり、一般状態区分表のウまたはイに該当する場合であって、吸入ステロイド中用量以上および長期管理薬を追加薬として2剤以上の連用を必要とし、かつ、短時間作用性吸入β2刺激薬の頓用を少なくとも週に1回以上必要とするもの、あるいは在宅酸素療法を24時間使用していて、かつ軽易な労働以外の労働に支障があるもの、慢性肺疾患により非代償性の肺性心を生じているもの(肺疾患が原因で心臓に異常が起きているもの)とされています。

これらの基準には、肺活量や血液検査の結果など、主治医に確認してみないとわからないことが多いと思います。そこで、以下でご紹介する一般状態区分表で等級の目安をつけていただき、該当するか主治医に確認してみると良いでしょう。

一般状態区分表で症状の程度を確認しましょう

一般状態区分表は、日常生活や労働においてどの程度の支障が出ているかを判断する指標です。診断書にも記載があります。

「ア」は、無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるものを指します。

「イ」は、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、例えば軽い家事や事務などができる状態です。

「ウ」は、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居(立ったり座ったりの生活)をしているものを指します。

「エ」は、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出がほぼ不可能となったものです。

「オ」は、身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床をしなければならず、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものとされています。

この一般状態区分表はあくまでも等級判断の目安であり、実際には血液検査結果や治療内容などで総合的に判断されます。

呼吸不全の認定基準で認定されることも!

喘息の認定基準では該当しなくても、呼吸不全の認定基準で該当すれば、障害年金を受け取ることができます。

呼吸不全とは、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出が通常より困難になっている状態を指します。一般的には間質性肺炎、肺水腫、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、肥満低換気症候群などが呼吸不全にあたるといわれています。また、喘息の症状に加えて肺気腫(COPD)、肺線維症、じん肺が認められる場合は、呼吸不全の基準で認定されます。

1級に該当するのは、予測肺活量1秒率が20%以下(測定不能を含む)、または動脈血ガス分析値が動脈血酸素分圧55Torr以下または動脈血炭酸ガス分圧60以上が認められ、かつ、一般状態区分表のオに該当するものとされています。

2級に該当するのは、予測肺活量1秒率が30~21%、または動脈血ガス分析値が動脈血酸素分圧60~56Torrまたは動脈血炭酸ガス分圧51~59Torrが認められ、かつ、一般状態区分表のエまたはウに該当するものです。

3級に該当するのは、予測肺活量1秒率が40~31%、または動脈血ガス分析値が動脈血酸素分圧70~61Torrまたは動脈血炭酸ガス分圧46~50Torrが認められ、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するものです。

呼吸不全の認定基準にも検査結果が含まれているため、上記だけでは判断しにくいかもしれませんが、一般状態区分表に該当する区分で目安をつけていただき、主治医に等級に該当する可能性があるか確認してください。

なお検査として、「予測肺活量」と「動脈血ガス分析値」の2つが挙がっていますが、認定基準では「呼吸不全の障害の程度の判定は、動脈血ガス分析値を優先する」と明記されています。たとえば予測肺活量の検査では1秒率が「40~31%の間」で、等級が3級の範囲内であっても、動脈血ガス分析値が「動脈血酸素分圧が60~56Torrまたは動脈血炭酸ガス分圧が51~59Torrいずれか」であれば、こちらの検査結果が優先されるので2級に認定されるということです。

診断書を医師にお願いする際の注意点

障害年金は書類審査です。診断書の記載内容で等級がほとんど決まります。それだけ重要な書類であるにもかかわらず、診断書に記載する内容が細かい上に、記載する医師も忙しいため、空白があったり、実際よりも症状が軽く書かれてしまっていたりといったことは少なくありません。

診断書の不備で等級判定に納得がいかないことを防ぐためにも、以下を実践してください。

自覚症状や発作の程度をメモして主治医に渡しましょう

診断書には請求者の自覚症状や発作の程度などを書く欄があります。定期的な受診時にきちんと伝えられていないことが多いかと思いますので、メモを作成して、診断書と一緒に主治医に渡すようにしましょう。

まず、自覚症状について記載します。せき、たん、胸の痛み、呼吸困難(安静時・体動時)、喘鳴があるか、ある場合はどのくらいの症状かを具体的に書きましょう。

次に、一般状態区分表をみて、自分が該当すると思うものとその理由を書きます。

活動能力の程度についても、現在の状況についてあてはまるものを主治医に伝えましょう。例えば、「階段を人並みの速さでのぼれないが、ゆっくりならのぼれる」「階段をゆっくりでものぼれないが、途中休み休みならのぼれる」「人並みの速さで歩くと息苦しくなるが、ゆっくりなら歩ける」「ゆっくりでも少し歩くと息切れがする」「息苦しくて身のまわりのこともできない」といった状況です。

喘息発作の強度と頻度についても伝えます。発作の強度については、大発作(苦しくて動けなく、会話も困難)なのか、中発作(苦しくて横になれず、会話も苦しい)なのか、小発作(苦しいが横になれる、会話はほぼ普通)なのか、その他(喘鳴のみ、急ぐと苦しい、急いでも苦しくない)なのかを伝えましょう。

発作の頻度については、1週間に5日以上なのか、1週間に3~4日なのか、1週間に1~2日なのか、その他(どのくらいの頻度で発作があるか詳しく)を伝えます。

喫煙歴についても重要です。たばこを吸ったことがある場合は、1日何本を何年間続けているか、禁煙した場合は1日何本を何年間続けていたかを伝えましょう。

診断書の確認事項

診断書に記載漏れがある場合は必ず医師に加筆してもらいましょう。特に検査数値について記載漏れがあると、正しい等級判定ができませんので細かく確認してください。

まず、診断書に赤太字で「平成〇年〇月〇日」と書かれている箇所について、記載漏れがないか確認します。

診断書表面の「6 換気機能」および「7 動脈血ガス分析」の記入欄に記載漏れがないかも確認してください。

「7 動脈血ガス分析」について、酸素吸入を施行している場合、動脈血ガス分析値の検査結果は、診断書記入欄の()内に記載されていますか?これも重要なポイントです。

気管支喘息で障害年金を申請する場合は、裏面の「13 気管支喘息」の1~7の項目に記載漏れがないかを確認します。

診断書裏面の「15 現症時の日常生活活動能力及び労働能力」の記入欄に記載漏れがないか、「16 予後」の記入欄に記載漏れがないかも必ず確認しましょう。

喘息で障害年金の申請をお考えの方へ

ここまで、喘息で障害年金を受給できる可能性や、その基準、申請時の注意点などについて解説してきました。

障害年金は、必要書類を集めて提出すればだれでも受給できるものではありません。審査を突破して障害年金の認定を受けるためには、年金機構の基準にそった診断書などが必要です。

喘息は症状の波があり、調子の良い時と悪い時の差が大きい疾病です。そのため、障害年金の申請時には、最も症状が重い時期の状況をしっかりと医師に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

障害年金の申請手続きは複雑で、書類の準備や医療機関とのやり取りなど、ご自身で行うには負担が大きい場合もあります。特に、喘息で体調が優れない中での手続きは大変なことと思います。

当事務所では、喘息を含む呼吸器疾患の障害年金申請を数多くサポートしてきた実績がございます。ご相談は無料で承っておりますので、「自分は障害年金を受給できるのか」「どのように手続きを進めればよいのか」など、お気軽にご相談ください。

障害年金は、経済的な不安を軽減し、治療に専念するための重要な制度です。喘息でお悩みの方は、ぜひ一度、障害年金の受給を検討してみてください。

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