相当因果関係って何なの?【専門の社労士が徹底解説!】
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こんにちは!
グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。
「相当因果関係」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
障害年金の手続きを進めるうえで、この「相当因果関係」という考え方は、実はとても重要なポイントになります。特に複数の病気を抱えている方、または過去に別の病気で通院歴がある方にとっては、受給の可否を左右する大きなカギとなることもあるんです。
今回は、この「相当因果関係」について、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
相当因果関係とは?
相当因果関係とは、簡単に言うと「前の病気と後の病気が、医学的に関連しているかどうか」という判断基準のことです。
たとえば、過去に糖尿病で通院していて、その後、糖尿病が原因で糖尿病性網膜症になったとします。この場合、糖尿病と糖尿病性網膜症の間には「相当因果関係がある」と判断されます。つまり、前の病気が原因となって、後の病気が発症したと考えられるわけです。
障害年金では、この「相当因果関係がある」と判断されると、後の病気の初診日ではなく、前の病気の初診日が基準になります。これが、申請する上でとても重要になってくるのです。
なぜ相当因果関係が重要なの?
ここで「なぜそれが重要なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
理由は「初診日」にあります。障害年金を受給するためには、初診日に厚生年金や国民年金に加入していたか、そして保険料をきちんと納めていたかが問われます。この要件を満たしていないと、残念ながら障害年金は受給できません。
たとえば、20歳未満で糖尿病を発症し、その後40代で糖尿病性網膜症になった場合を考えてみましょう。もし相当因果関係が認められなければ、40代での初診日が基準となり、その時点での保険料納付状況が問われます。一方、相当因果関係が認められれば、20歳未満の糖尿病の初診日が基準となり、20歳前傷病として障害基礎年金の受給対象になる可能性があります。
このように、相当因果関係の有無によって、受給の可否そのものが変わってしまうこともあるのです。
相当因果関係が認められる代表的なケース
障害年金の実務では、相当因果関係が認められる典型的なパターンがいくつか存在します。
まず、糖尿病と糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などの合併症については、明確に相当因果関係が認められます。糖尿病という基礎疾患があって、それが原因で合併症が起きているわけですから、これは当然のことと言えるでしょう。
また、糸球体腎炎や慢性腎炎などの腎疾患から人工透析に至った場合も、相当因果関係が認められます。腎臓の機能が徐々に低下していき、最終的に透析が必要になったという流れがあるためです。
さらに、肝炎から肝硬変へと進行したケースや、事故や手術などによる後遺症も、相当因果関係が認められる代表例です。
精神疾患でも相当因果関係が問題になることがあります。たとえば、うつ病から統合失調症へと症状が変化した場合や、発達障害があってその後二次障害としてうつ病を発症したような場合です。これらは個別のケースによって判断が分かれることもありますが、医師の診断内容や病歴の記載が重要になってきます。
相当因果関係が認められないケース
逆に、相当因果関係が認められないケースもあります。
たとえば、高血圧と脳出血の関係です。高血圧は脳出血のリスク因子ではありますが、直接的な原因とは限らないため、原則として相当因果関係は認められません。ただし、高血圧性脳症のように、高血圧が直接的な原因となって脳の症状が出ている場合は、相当因果関係が認められることもあります。
また、別々の独立した病気を発症した場合も、相当因果関係は認められません。たとえば、過去に腰痛で通院していて、その後まったく別の原因で精神疾患を発症したような場合です。この場合、それぞれの病気は独立しているため、初診日もそれぞれ別に判断されます。
判断が難しいケースもある
実は、相当因果関係の判断が難しいケースも少なくありません。
たとえば、脳梗塞の後にうつ病を発症した場合、これは脳血管障害の後遺症としてのうつ病なのか、それとも独立した精神疾患なのか、判断が分かれることがあります。この場合は、医師の診断書に書かれている内容や、発症の経緯、症状の関連性などを総合的に見て判断されることになります。
診断書と病歴・就労状況等申立書が重要
相当因果関係を正しく判断してもらうためには、診断書の記載内容がとても重要になります。
また、ご自身で作成する「病歴・就労状況等申立書」も、非常に大切な書類です。これまでの病歴の経過や、症状がどのように変化してきたのか、どのタイミングで病名が変わったのかなどを、時系列で丁寧に記載していくことで、審査する側も相当因果関係を正しく理解しやすくなります。
「最初は糖尿病の治療だけだったが、数年後に目がかすむようになり、眼科を受診したところ糖尿病性網膜症と診断された」といった具体的なエピソードを書いていくことが、とても重要なポイントになります。
相当因果関係の判断を間違えると…
もし相当因果関係の判断を間違えてしまうと、どうなるのでしょうか。
最も困るのは、本来は相当因果関係があるのに、それを認識せずに後の病気の初診日だけで申請してしまうケースです。この場合、初診日要件や保険料納付要件を満たせず、不支給になってしまう可能性があります。
逆に、相当因果関係がないのに、無理に前の病気とつなげて申請してしまうと、審査の段階で矛盾が生じ、やはり不支給という結果になることがあります。
だからこそ、相当因果関係については、専門家の目でしっかりと見極めることが大切なのです。
ひとりで悩まず、まずはご相談ください
「自分の病気は相当因果関係があるのだろうか?」
「過去の通院歴が、今の申請に影響するのだろうか?」
そんな疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。無料にて実施させていただきます。
相当因果関係の判断は、医学的な知識だけでなく、障害年金制度の実務経験も必要になる専門的な領域です。特に複数の病気を抱えている方や、長年にわたって治療を続けてこられた方は、初診日の特定や相当因果関係の判断が複雑になることも少なくありません。
あなたの今の状況を丁寧にヒアリングし、過去の診療録や診断書の内容を確認しながら、最適な申請方法をご提案させてください。
障害年金は、生活の安心を支えるための大切な制度です。わからないことがあれば、遠慮なくお尋ねくださいね。
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