全身性エリテマトーデス(SLE)について【専門の社労士が徹底解説!】

こんにちは!

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

「全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されたけど、障害年金って受給できるの?」

「症状の波があって仕事が続けられるか不安…」

あなたが全身性エリテマトーデスでこのようなお悩みを抱えていませんか?

病状が日によって変わり、治療費もかさむ。そんな時に障害年金は、金銭面からのサポートが望める制度です。

当事務所では、全身性エリテマトーデスでお困りの方から、障害年金に関するご相談が数多く寄せられています。結論から申し上げますと、全身性エリテマトーデスの症状によって障害年金を受給できる可能性は十分にあります。

しかし、「どんな状態ならもらえるの?」「どうやって手続きすればいいの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、全身性エリテマトーデスで障害年金を受給するために知っておきたいポイントを、社労士の視点から分かりやすく解説します。

全身性エリテマトーデスとは?障害年金との関係

全身性エリテマトーデス(SLE)とは、自己免疫疾患の一種で、本来は外敵から体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の体を攻撃してしまう病気です。その結果、全身のさまざまな臓器や組織に炎症が起き、多岐にわたる症状が現れます。

この病気の特徴として、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す「寛解と再燃」があります。また、症状の現れ方も人それぞれで、軽い症状で済む方もいれば、重篤な臓器障害に至る方もいらっしゃいます。

全身性エリテマトーデスでは、以下のような症状が生活に大きな影響を与えることがあります。

全身症状

発熱、全身倦怠感、体重減少などが続くことで、日常生活を送ることが困難になる場合があります。慢性的な疲労感により、以前のように活動することが難しくなり、仕事や家事に大きな支障をきたす方も少なくありません。

関節症状

多くの患者さんが経験する症状として、関節の痛みや腫れがあります。朝起きた時の関節のこわばり、手指や手首の痛みなどにより、日常生活動作に制限が生じます。服のボタンをかける、箸を持つといった細かい動作が難しくなることもあります。

皮膚症状

特徴的な蝶形紅斑(頬と鼻にかけて蝶のような形の赤い発疹)や、日光過敏症(紫外線に当たると皮膚症状が悪化する)などが見られます。これらの症状により、外出や社会生活に制限が生じることがあります。

腎障害(ループス腎炎)

全身性エリテマトーデスで最も注意が必要な合併症の一つが腎障害です。進行すると腎不全に至り、人工透析が必要になることもあります。人工透析を受けている場合、障害年金の2級が原則として認められます。

中枢神経症状

けいれん発作、精神症状、認知機能障害などが生じることがあり、日常生活や就労に大きな影響を与えます。

心臓・肺の症状

胸膜炎、心膜炎などにより、胸の痛みや息切れが生じることがあります。重症化すると呼吸困難などの症状が現れ、生活の質が大きく低下します。

これらの症状により、日常生活や仕事にどの程度の支障が出ているかが、障害年金受給の重要なポイントとなります。

全身性エリテマトーデスで障害年金を受給できる条件とは?

全身性エリテマトーデスで障害年金を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

初診日要件

初めて全身性エリテマトーデスの症状で医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが必要です。この初診日がどこの医療機関であったかを特定することが、手続きの第一歩となります。

保険料納付要件

初診日の前日において、一定期間以上の保険料納付実績が必要です。具体的には、初診日の前日時点で、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間について保険料を納付または免除されていることが求められます。

また、現在は特例措置として、かつ初診日において65歳未満であれば、特例として、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ受給要件を満たします。

障害状態要件

障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月経過した日)において、一定の障害状態にあることが必要です。全身性エリテマトーデスの場合、以下のような状態が評価の対象となります。

1級に該当する状態

  • 腎不全により常時介護が必要な状態
  • 複数の臓器障害が重度で、日常生活動作のほとんどに介助が必要な状態
  • 寝たきりまたはそれに近い状態

2級に該当する状態

  • 人工透析を実施している状態
  • 複数の臓器に中等度以上の障害があり、日常生活に著しい制限がある状態
  • 全身症状により、家庭内での軽作業や簡単な家事もできない程度

3級に該当する状態(厚生年金加入中に初診日がある場合)

  • 臓器障害により、労働に制限がある状態
  • 全身症状により、軽作業はできるが、それ以上の活動が著しく制限される状態

障害の程度は、臓器障害の重症度、検査データ、日常生活動作の制限の程度などを総合的に評価して判断されます。

全身性エリテマトーデスの障害年金でよくある疑問

ここでは、全身性エリテマトーデスによる障害年金申請でよくある疑問についてお答えします。

Q1. 症状に波があるのですが、申請できますか?

全身性エリテマトーデスは症状の波がある病気ですが、障害年金の申請は可能です。審査では、症状が最も重い時期の状態ではなく、一定期間における平均的な状態が評価されます。

診断書を作成してもらう際には、寛解期だけでなく、症状が悪化した時にどのような状態になるのか、どのくらいの頻度で悪化するのかなど、病状の波についても医師に詳しく記載してもらうことが重要です。

Q2. 内部障害は外から見えないのですが、認定されますか?

全身性エリテマトーデスでは、腎臓、心臓、肺などの内部臓器に障害が生じることがあります。これらは外見からは分かりにくい障害ですが、検査データや臨床症状に基づいて適切に評価されます。

腎機能を示す検査値(血清クレアチニン値、eGFRなど)、心機能を示す検査値、肺機能検査の結果などが、障害の程度を判定する重要な材料となります。医師には、これらの検査結果を診断書に詳しく記載してもらうようにしましょう。

Q3. 複数の症状がある場合はどうなりますか?

全身性エリテマトーデスでは、複数の臓器に障害が生じることが多い病気です。このような場合、それぞれの障害を個別に評価するだけでなく、複数の障害を総合的に判断して等級が認定されます。

例えば、腎障害と関節障害の両方がある場合、それぞれ単独では2級に該当しない程度であっても、併せて評価することで2級に認定される可能性があります。診断書には、すべての症状について詳しく記載してもらうことが大切です。

Q4. 障害年金申請の流れを知りたい

全身性エリテマトーデスで障害年金を申請する際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。以下に大まかな流れをお伝えします。

1. 初診日の特定 初めて全身性エリテマトーデスの症状で医療機関を受診した日を正確に特定します。初診日によって、受給できる年金の種類(障害基礎年金か障害厚生年金か)が決まります。

2. 診断書の作成依頼 主治医に障害年金用の診断書の作成を依頼します。全身性エリテマトーデスの場合、症状に応じて「腎疾患・肝疾患・糖尿病用」「循環器疾患用」「肢体の障害用」など、複数の診断書が必要になることがあります。

診断書には、臓器障害の程度、検査データ、日常生活動作の制限の程度などを詳しく記載してもらう必要があります。症状の波がある場合は、その点についても詳しく記載してもらいましょう。

3. 病歴・就労状況等申立書の作成 ご自身の言葉で、発症から現在までの病歴、治療経過、そして日常生活や仕事で具体的にどのような困りごとがあるのかを詳細に記載する書類です。

「朝起き上がるのに30分以上かかる」「買い物に行っても重いものが持てない」「疲れやすくて週に3日以上働けない」など、具体的なエピソードを盛り込むことで、診断書では伝わりにくい日常生活の実態を補足することができます。この書類は社労士によって代筆することも可能です。

4. その他の必要書類の準備 初診日を証明する書類(受診状況等証明書など)、年金手帳や基礎年金番号通知書、戸籍謄本、住民票、振込先口座の通帳の写しなどが必要となります。

5. 専門家への相談 全身性エリテマトーデスは複数の臓器に障害が生じることが多く、障害年金の審査基準も複雑です。ご自身で手続きを進めるのが難しいと感じる場合は、障害年金専門の社労士に相談することをおすすめします。

適切な書類作成のアドバイスや、医療機関との連携など、受給の可能性を高めるサポートが受けられます。当事務所は無料でご相談対応しております。お気軽にお問合せください。

障害者手帳との関係について

全身性エリテマトーデスの患者さんの中には、障害者手帳の取得を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、障害者手帳と障害年金の関係について簡単にご説明します。

障害者手帳とは

障害者手帳には、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳があります。全身性エリテマトーデスで身体に障害が生じた場合は、身体障害者手帳の対象となる可能性があります。

障害者手帳を持つことで、医療費の助成、公共交通機関の割引、税金の控除、就労支援などのサービスを受けることができます。

障害年金との違い

障害者手帳と障害年金は、それぞれ別の制度です。審査の基準も異なるため、手帳を持っているから必ず年金がもらえるというわけではありませんし、逆に手帳がなくても年金が受給できる場合もあります。

ただし、両方を申請して併用することは可能です。障害者手帳による各種サービスと、障害年金による経済的支援の両方を受けることで、より充実したサポート体制を整えることができます。

最後に

全身性エリテマトーデスの症状で日常生活や仕事に困難を抱えている方にとって、障害年金は生活を支える大切な制度です。

症状に波があることで、「自分は対象外かもしれない」と諦めてしまう方もいらっしゃいますが、適切に状態を伝えることができれば、受給の可能性は十分にあります。

もしあなたが全身性エリテマトーデスでお悩みでしたら、一人で抱え込まず、ぜひ当事務所にご相談ください。何度でも無料相談を実施しています。あなたの状況を丁寧にヒアリングし、障害年金受給の可能性や手続きの流れについて、分かりやすくご説明させていただきます。

「もしかしたら、私も対象かも…」

そう思われたら、まずはお気軽にお問い合わせください。専門家として、あなたの明るい未来のため伴走させていただきます。

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