タンジール症で障害年金は受給できるの?【専門の社労士が徹底解説!】

こんにちは!

 

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

 

「タンジール病と診断されたけど、障害年金は受給できるの?」
「症状が進行していて、日常生活に支障が出ている…」
 
あなたがタンジール病でこのようなお悩みを抱えていませんか?タンジール病は非常に稀な遺伝性疾患で、高密度リポ蛋白(HDL)の欠乏が特徴です。末梢神経障害や動脈硬化などの症状が現れ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。そんな時に障害年金は、生活を支えるための大切な制度です。
 
結論から申し上げますと、タンジール病の症状によって障害年金を受給できる可能性は十分にあります。
 
しかし、「どの程度の症状なら対象になるの?」「手続きはどうすればいいの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、タンジール病で障害年金を受給するために知っておきたいポイントを、社労士の視点から分かりやすく解説します。

(参考HP:難病情報センター )

タンジール病とは?

まず、タンジール病そのものについて簡単にご説明します。タンジール病とは、非常に稀な遺伝性疾患で、高密度リポ蛋白(HDL)の欠乏やコレステロールエステルの異常蓄積が特徴です。1959年にアメリカのタンジール島で初めて報告されたことから、この名前が付けられました。
この病気の主な症状として、以下のようなものが挙げられます。
  • 扁桃腺の肥大(オレンジ色に変色することが特徴的)
  • 脾腫(脾臓の腫大)
  • 末梢神経障害(手足のしびれや感覚障害、筋力低下など)
  • 動脈硬化の進行
  • 角膜混濁(目の角膜にコレステロールが蓄積)
 
タンジール病は、ABCA1遺伝子の変異によって発症する常染色体劣性遺伝疾患です。両親から変異遺伝子を受け継いだ場合に発症し、非常に稀な疾患であるため、診断までに時間がかかることも少なくありません。
症状の程度は個人差が大きく、軽症の方から重症の方まで様々です。特に末梢神経障害が進行すると、日常生活や労働に大きな支障をきたすことがあります。

タンジール病で障害年金は受給できるの?

タンジール病の症状が進行し、日常生活に支障をきたすレベルになると、障害年金の対象となります。具体的には、障害基礎年金と障害厚生年金が該当する可能性があります。どちらを受給できるかは、初診日が国民年金に加入しているか、厚生年金に加入しているかによって異なります。
 
ただし、タンジール病という診断名だけで自動的に障害年金が支給されるわけではありません。大切なのは「どの程度日常生活や労働に支障があるか」という点です。
 
タンジール病の場合、末梢神経障害の程度、動脈硬化による循環器系の症状、日常生活動作にどの程度の制限があるかなどが評価の対象となります。たとえば、末梢神経障害が進行して歩行困難になっている場合や、感覚障害や筋力低下により日常生活に著しい制限がある場合などは、障害年金の対象となる可能性が高くなります。

 

障害年金を受給するための要件は?

タンジール病で障害年金を受給するためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
 
まず1つ目は「初診日要件」です。初診日とは、障害の原因となった病気について初めて医師の診療を受けた日のことをいいます。タンジール病の場合、症状が出て初めて医療機関を受診した日、あるいは健康診断などで異常を指摘されて専門医を受診した日が初診日となります。
 
初診日が国民年金に加入している期間であれば障害基礎年金、厚生年金に加入している期間であれば障害厚生年金の対象となります。また、20歳前に初診日がある場合は、年金の加入状況に関わらず障害基礎年金の対象となります。
 
2つ目は「障害程度要件」です。障害認定日(原則として初診日から1年6か月を経過した日)に、日常生活や労働に一定以上の制限があることが求められます。タンジール病の場合、末梢神経障害の程度、動脈硬化による循環器系の症状、日常生活動作の制限の程度が評価されます。
 
3つ目は「保険料納付要件」です。初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上の期間について保険料が納付されている必要があります。ただし、20歳前に初診日がある場合はこの要件は問われません。
 
また、特例的な要件として、初診日において65歳未満であれば、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ受給要件を満たします。この特例は多くの方にとって使いやすい基準となっています。

 

障害年金の等級はどう決まるの?

障害年金には1級、2級、3級(障害厚生年金のみ)という等級があり、日常生活や労働への影響の程度によって決定されます。
 
1級は「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度」とされており、常時介護が必要な状態を指します。タンジール病で末梢神経障害が極めて重度に進行し、日常生活動作のほとんどに常に介助が必要な状態がこれに当たります。たとえば、歩行が困難で車椅子が必要、あるいは寝たきりの状態などが該当します。
 
2級は「日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」とされています。タンジール病で末梢神経障害が進行し、日常生活に著しい制限がある場合がこれに該当します。たとえば、歩行に支障があり杖や装具が必要、感覚障害や筋力低下により家事や仕事に著しい制限がある場合などが該当します。
 
3級は障害厚生年金のみに設けられている等級で、「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度」とされています。タンジール病で末梢神経障害や動脈硬化による症状があり、労働に著しい制限がある場合などが該当します。
 

どんな診断書が必要になるの?

タンジール病で障害年金を申請する際には、症状に応じて適切な診断書を選択する必要があります。主に以下の診断書が使用されます。

 

  • 肢体用の診断書(末梢神経障害が主症状の場合)
  • 循環器系の疾患用の診断書(動脈硬化による循環器系の症状が主症状の場合)
  • その他の疾患用の診断書(複数の症状が重なっている場合)

 

診断書に記載される主な項目としては、末梢神経障害の程度(感覚障害、運動障害、筋力低下の程度など)、歩行能力、日常生活動作の制限の程度、動脈硬化による循環器系の症状、検査所見(神経伝導速度検査、画像検査など)などがあります。

特に重要なのは、末梢神経障害の程度と日常生活動作の制限の程度です。診断書には、具体的にどのような症状があり、それが日常生活や労働にどの程度影響を与えているかを詳細に記載していただく必要があります。

申請する際の注意点は?

タンジール病で障害年金を申請する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。

まず、医師による診断書の記載内容が非常に重要です。単に病名が記載されているだけでは不十分で、具体的にどのような症状があり、それが日常生活や労働にどの程度影響を与えているかを詳細に記載していただく必要があります。たとえば「末梢神経障害により歩行に支障があり、杖が必要」「感覚障害により細かい作業が困難」「筋力低下により長時間の立ち作業ができない」「動脈硬化により階段の昇降が困難」といった具体的な記載があると、審査する側にも状況が伝わりやすくなります。

次に、病歴・就労状況等申立書の記載も重要です。これは患者さんご本人やご家族が記載する書類で、発症から現在までの経過や日常生活の状況を詳しく説明するものです。症状の変化、治療の経過、現在の生活における具体的な制限などを丁寧に記載することで、診断書の内容を補完し、実際の生活状況を審査担当者に理解してもらうことができます。

また、タンジール病は進行性の疾患であることが多いため、障害認定日時点での症状の程度を正確に把握することが大切です。過去の検査データや診療記録を整理しておくと、申請の際に役立ちます。

末梢神経障害が主症状の場合

タンジール病では、末梢神経障害が主な症状となることが多く、この場合の障害年金申請では、肢体用の診断書を使用します。

末梢神経障害の評価では、感覚障害、運動障害、筋力低下の程度、歩行能力などが重要なポイントとなります。たとえば、感覚障害により細かい作業が困難、運動障害により歩行に支障がある、筋力低下により重いものを持てない、長時間の作業ができないといった具体的な困難があることが重要です。

診断書には、神経伝導速度検査などの検査結果も記載されます。これらの検査結果と、日常生活動作の制限の程度を総合的に評価して、障害の等級が決定されます。

動脈硬化による症状がある場合

タンジール病では、動脈硬化が進行することがあり、循環器系の症状が現れることがあります。この場合、循環器系の疾患用の診断書を使用することもあります。

動脈硬化による症状としては、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害などが挙げられます。これらの症状がある場合は、循環器系の症状として評価されます。ただし、タンジール病の場合は、末梢神経障害と動脈硬化の症状が重なっていることが多いため、総合的に評価されることが一般的です。

タンジール病の障害年金でよくある疑問

ここでは、タンジール病による障害年金申請でよくある疑問についてお答えします。

Q1. 症状が安定している期間があっても申請できますか?

タンジール病は、症状が進行していくことが多いですが、個人差が大きく、症状が安定している期間があることもあります。しかし、障害年金の申請は可能です。審査では、症状が最も軽い時期の状態ではなく、一定期間における平均的な状態が評価されます。

診断書を作成してもらう際には、症状が安定している時期だけでなく、症状が悪化した時にどのような状態になるのか、どのくらいの頻度で悪化するのかなど、病状の変動についても医師に詳しく記載してもらうことが重要です。

Q2. 末梢神経障害の程度だけで判断されるのですか?

いいえ、末梢神経障害の程度だけで判断されるわけではありません。神経伝導速度検査などの検査結果は重要な判断材料ですが、それと同時に日常生活動作の制限の程度も評価されます。

たとえば、検査結果が基準に近い場合でも、日常生活に著しい制限がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。逆に、検査結果が基準を満たしていても、日常生活にそれほど大きな支障がない場合は、対象とならないこともあります。

Q3. 他の病気も併発している場合はどうなりますか?

タンジール病に加えて、他の病気も併発している場合は、それらの病気も含めて総合的に評価されます。複数の病気が重なることで、日常生活への影響がより大きくなる場合は、総合認定という方法で評価されることがあります。

診断書には、すべての病気について詳しく記載してもらうことが大切です。

最後に

タンジール病の症状で日常生活や仕事に困難を抱えている方にとって、障害年金は生活を支える大切な制度です。進行性の疾患であるからこそ、早めに専門家に相談し、適切なタイミングで申請することが重要です。

もしあなたがタンジール病の症状でお悩みでしたら、一人で抱え込まず、ぜひ当事務所にご相談ください。あなたの状況を丁寧にヒアリングし、障害年金受給の可能性や手続きの流れについて、分かりやすくご説明させていただきます。

「もしかしたら、私も対象かも…」

そう思われたら、まずはお気軽にお問い合わせください。専門家として、あなたの明るい未来のため伴走させていただきます。

 

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