内因・心因・器質因について解説します!

こんにちは!
障害年金を専門にしております、社労士の城間です!
今回は、障害年金から少しだけ離れて、医学的な観点からコラムを書かせていただきます。
精神科を訪れる患者さんは、当然ですが「こころ」に対して何らかの困りごとがあって来院しているはずです。「特に何かあったわけではないのに、なぜ自分は学校に行けないんだろう?」「既往先輩に言われた言葉が忘れられず、ベットから起きられない・・・」といった具合です。
精神疾患の原因について考える際、医学の世界では「内因・心因・器質因」という3つの分類が用いられることがあります。
この3つの概念は、精神疾患を理解する上で重要な視点を提供してくれます。しかし、専門的な用語であるため、「どのような意味なのか?」「自分の病気はどれに当てはまるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、内因・心因・器質因について、わかりやすく解説させていただきます。
内因・心因・器質因とは?
まず、内因・心因・器質因とは何かについて説明します。
これは、精神疾患の原因を理解するための基本的な分類方法の一つです。
簡精神疾患の原因を以下の3つに分けて考えます。
聞いたことがない人が多いかもしれませんが、下に列挙しますね。
- 内因性:主に遺伝的要因や体質的な素因が関係していると考えられるもの
- 心因性:心理的なストレスや環境要因が主な原因となっているもの
- 器質因性:脳の器質的な変化(脳の構造や機能に物理的な変化が生じている状態)が原因となっているもの
この3つの分類でいわゆる「心の病」はジャンル分けがされています。あくまで分類しただけなので病気の原因が特定できるわけではありませんし、1つの病気が、内因、心因、器質因のすべてを併せ持つことも珍しくありません。
内因性とは?
内因性とは、主に遺伝的要因や体質的な素因が原因となっていると考えられる精神疾患を指します。簡単に言うと、「体質として持っている要素が関係している」と考える分類です。
この分類に当てはまる疾患としては、統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、うつ病などが挙げられます。これらの疾患は、家族歴(家族に同じような病気の人がいる)があることが比較的多いことから、遺伝的な要因が関係していると考えられています。障害年金の受給対象である「精神疾患」とよばれる病気です。
ただし、「遺伝的要因がある」ということは、「必ず遺伝する」ということではありません。遺伝的な素因を持っていても、発症するかどうかは、環境要因やストレス、生活習慣など、様々な要因が影響します。そして、はっきりとした原因はまだ判明していません。(ヘルペスウイルスが原因か?といった研究結果は上がっていますが、治療に役立っているといったところまでの進展はいまだありません。
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一例を出しますと統合失調症の場合、脳内のドーパミンという神経伝達物質の過剰な働きが関係していると考えられています。薬物療法によって、このドーパミンの働きを調整することで、症状の改善が期待できます。
心因性とは?
心因性とは、心理的なストレスや環境要因が主な原因となっている精神疾患を指します。簡単に言うと、「心の傷やストレスが原因となっている」と考える分類です。いわゆる神経症です。
この分類に当てはまる疾患としては、適応障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、パニック障害、不安障害などが挙げられます。これらの疾患は、強いストレスやトラウマ体験、環境の変化などが引き金となって発症することが多いとされています。
心因性の疾患の特徴としては、以下のような点が挙げられます。要は、自分以外の原因によって発症する心の病気です。
- ストレスや環境要因が発症のきっかけとなることが多い
- ストレスが軽減されると症状が改善することがある
- 心理療法(カウンセリングなど)が有効なことが多い
- 個人のストレスに対する感受性や対処能力が関係している
例えば、職場でのパワハラを経験した後に適応障害を発症した場合、その職場環境から離れたり、適切なサポートを受けたりすることで、症状が改善する。といった具合です。内因性の場合は原因がはっきりしないため、環境を変化させたとしても症状が快復することはありません。
ただし、心因性の疾患でも、薬物療法が必要な場合があります。心理療法と薬物療法を組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。
器質因性とは?
器質因性とは、脳の器質的な変化(脳の構造や機能に物理的な変化が生じている状態)が原因となっている精神疾患を指します。簡単に言うと、「脳そのものに物理的な問題があることが原因」と考える分類です。
この分類に当てはまる疾患としては、認知症、脳腫瘍による精神症状、外傷性脳損傷による精神症状、てんかんに伴う精神症状などが挙げられます。これらの疾患は、脳の画像検査(CT、MRIなど)や脳波検査などで、異常が確認できることが多いという特徴があります。
外部からの刺激(交通事故)や、ウイルスが原因で脳の形が変わる・損傷すると発症します。
例えば、脳腫瘍が原因で精神症状が現れている場合、腫瘍を手術で摘出したり、放射線治療を行ったりすることで、精神症状が改善することがあります。
また、認知症の場合、アルツハイマー型認知症では脳の萎縮が確認され、血管性認知症では脳梗塞や脳出血などの病変が確認されます。
3つの要因は独立しているわけではない
ここまで、内因・心因・器質因について説明してきましたが、重要な点として、これらの要因は独立しているわけではなく、実際の精神疾患では複数の要因が複雑に絡み合って発症することが多いということを理解していただきたいと思います。
例えば、うつ病の場合:
- 内因的要素:遺伝的な素因や体質的な要因
- 心因的要素:職場でのストレスや人間関係の問題
- 器質的要素:長期的なストレスによる脳の機能的な変化
これらが複合的に作用して発症することが多いとされています。
つまり、1つの病気を「内因だけ」「心因だけ」「器質因だけ」と単純に分類することは難しく、実際の診療では、これらの要因がどのように関わっているかを総合的に判断することが大切になります。ですので、ご自身で判断せず、必ず担当医の先生の診断にしたがってください。
なぜこの分類が重要か?
では、なぜ内因・心因・器質因という分類が重要なのでしょうか。この分類を理解することで、以下のようなメリットがあります。
治療方針の選択に役立つ
原因がどの要因に由来するかによって、適切な治療アプローチが異なります。例えば、器質因が疑われる場合は、まず脳の画像検査などを行い、器質的な変化を確認することが重要になります。一方、心因が強い場合は、心理療法や環境調整が治療の中心となることが多いです。
病気の理解を深めることができる
「なぜ自分がこの病気になったのか?」という疑問に対して、ある程度の説明が可能になります。ただし、原因が完全に解明されているわけではないため、「これが原因です」と断言できるわけではないことを理解していただきたいと思います。
治療に対する見通しを立てやすくなる
内因性の疾患は薬物療法が有効なことが多く、心因性の疾患は心理療法や環境調整が重要になることが多いです。ただし、実際の治療では、薬物療法と心理療法を組み合わせることが一般的です。
最後に
内因・心因・器質因という分類は、精神疾患の原因を理解するための一つの視点です。しかし、実際の精神疾患は、これらの要因が複雑に絡み合って発症することが多く、単純に分類できるものではありません。
大切なのは、「自分の病気がどれに当てはまるか」ということよりも、「どのような治療が自分に適しているか」「どのような支援が必要か」という点です。ご自身が理解し、しっかりと病気と向かい合うことで治療は進んでいくでしょう。
もしあなたが、自分の病気の原因について疑問や不安を感じている場合は、主治医に遠慮なく相談してみてください。医師は、あなたの状況を総合的に判断し、最適な治療方針を提案してくれるはずです。
精神疾患の治療は、一人で抱え込まず、医師や医療スタッフ、家族や周囲の人々と協力しながら進めていくことが大切です。あなたの回復に向けて、私たち医療従事者も、できる限りサポートさせていただきたいと思います。
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