特定求職者雇用開発助成金について解説します!
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こんにちは!
グロースリンク社会保険労務士法人の城間です。
今回も前回同様、雇用主側目線でコラムを書きたいと思います!
障害のある方を雇用するということは、企業にとって社会的責任を果たすと同時に、多様な人材の活躍を促進する大切な取り組みです。しかし、採用にかかる費用や受け入れ体制の整備など、金銭面での負担を感じている企業も多いのではないでしょうか。
当事務所では、障害者を雇用する企業の人事担当者の方々から、助成金制度に関するご相談が数多く寄せられています。結論から申し上げますと、特定求職者雇用開発助成金という制度を活用することで、障害者雇用にかかる経済的負担を軽減できる可能性があります。
しかし、「どんな条件で受給できるの?」「申請手続きはどうすればいいの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、障害者雇用を推進する企業にとって心強い味方となる特定求職者雇用開発助成金について、社労士の視点から分かりやすく解説します。厚生労働省HP
特定求職者雇用開発助成金とは?
特定求職者雇用開発助成金とは、就職が困難とされる方々を雇用保険の一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用する事業主に対して支給される助成金です。この制度には複数のコースが用意されており、雇い入れる求職者の特性や状況に応じて選択することができます。
障害者だけでなく、高年齢者や母子家庭の母なども対象となりますが、障害者雇用に関しては特に活用されている制度といえます。企業が社会的責任を果たしながら、経済的な支援も受けられるという点で、非常に意義のある制度なのです。
複数あるコースの中から適したものを選択
この助成金には、対象者や条件に応じて以下のようなコースが設けられています。代表的なものとしては、障害者や高年齢者などを対象とした「特定就職困難者コース」、発達障害者や難治性疾患患者を対象とした「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」、就職氷河期世代を対象とした「就職氷河期世代安定雇用実現コース」などがあります。
このコラムでは、「特定就職困難者コース」を中心にご説明していきます。
特定就職困難者コースが企業に選ばれる理由
特定就職困難者コースは、障害者雇用関連の助成金の中で最も多く利用されている制度です。なぜこれほど多くの企業に選ばれているのでしょうか。
助成金額の大きさが魅力
この助成金の大きな特徴は、支給額が比較的高額であるという点です。障害の種類や程度、雇用形態によって異なりますが、中小企業の場合、重度障害者等を雇用した際には最大240万円が支給されます。これは、障害者の方が安心して働ける環境を整備するための大きな支援となります。
申請手続きの負担が比較的軽い
多くの助成金制度では事前の計画書提出が必要だったり、複雑な手続きが求められたりしますが、特定就職困難者コースの場合、採用後や入社後でも手続きを進めることができます。必要な書類をしっかりと確認すれば、人事担当者の方ご自身で申請を進めることも十分可能です。
もちろん、私たち社会保険労務士にご相談いただければ、より確実でスムーズな手続きをサポートさせていただくこともできます。当事務所は無料でご相談対応しております。お気軽にお問合せください。
どんな方が対象になるの?
特定就職困難者コースの対象となる方は、以下の通りです。
まず、身体障害者、知的障害者、精神障害者の方々が対象となります。障害の種類や程度によって、支給額や助成対象期間が変わってきます。また、障害者以外にも、高年齢者(60歳以上)の方や母子家庭の母等も対象となっています。
重要なのは、ハローワークや職業紹介事業者など、指定された機関からの紹介によって雇い入れることが条件となっている点です。この点については、後ほど詳しくご説明します。
支給額と助成対象期間について
助成金の支給額は、障害の種類と程度、そして短時間労働者(週20時間以上30時間未満)か否かによって異なります。また、雇用する企業が中小企業か大企業かによっても金額が変わってきます。
短時間労働者以外の場合
たとえば、重度障害者等を除く身体障害者や知的障害者を中小企業が雇用した場合、支給総額は120万円となり、2年間にわたって30万円ずつ4期に分けて支給されます。大企業の場合は50万円が1年間で支給されます。
重度障害者等を雇用した場合は、中小企業で240万円が3年間にわたって支給され、大企業でも100万円が1年6ヶ月にわたって支給されます。
短時間労働者の場合
短時間労働者として雇用する場合も助成金の対象となります。重度障害者等を含む身体障害者、知的障害者、精神障害者を短時間労働者として雇用した場合、中小企業では80万円が2年間で、大企業では30万円が1年間で支給されます。
このように、障害の程度や雇用形態に応じて、企業の規模に合わせた支援が受けられる仕組みとなっています。
受給するための要件を確認しましょう
特定求職者雇用開発助成金を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
必ず満たすべき要件
まず、ハローワークや地方運輸局、あるいは適正な運用を期すことのできる有料無料職業紹介事業者などからの紹介によって雇い入れることが必須条件となります。知人からの紹介や自社で直接採用した場合は、残念ながら対象外となってしまいます。
次に、対象労働者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れる必要があります。そして、65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上あることが確実であると認められることが求められます。
注意すべき除外要件
一方で、以下のような場合は助成金の対象から除外されてしまいます。過去3年以内に、同じ事業所で雇用されていたことがある対象労働者の場合や、ハローワークなどが紹介する以前に、事業所と対象労働者との間で雇用の予約がある場合は対象外です。
また、対象労働者が代表者などの3親等以内の親族である場合や、雇入れる前に3ヶ月を超える実習などを行った場合も、支給対象外となりますので注意が必要です。
除外要件にきづかず、助成金がもらえると思って話を進めていると痛い目にあいます。必ずチェックしましょう。
申請から受給までの流れを把握しよう
ここでは、実際に助成金を申請してから受給するまでの流れをご説明します。
ハローワークや職業紹介事業者からの紹介を受ける
最初のステップは、ハローワークや職業紹介事業者からの紹介です。先ほどもお伝えしたように、指定された機関以外からの紹介は対象になりませんので、必ずこのルートを通る必要があります。
職業紹介事業者を利用する場合は、その事業者が本助成金に係る取扱いの届出を行っているかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
対象者を雇い入れる
紹介を受けた方が対象者要件を満たしていることを確認したら、雇用契約を結びます。この際、雇用契約書や労働条件通知書には、契約期間や勤務時間などを明確に記載しておきましょう。
有期雇用契約の場合、対象労働者が望む限り更新できる自動更新であり、かつその旨が労働条件通知書または雇用契約書に記載されている必要があります。ただし、「勤務態度により判断する」といった就業規則の解雇要件を超える更新の要件がある場合は、対象外となってしまいますので注意が必要です。
支給申請書類を準備して提出する
雇入れ日から6ヶ月が経過したら、いよいよ支給申請を行います。申請期間は、雇入れ日から6ヶ月経過した日から2ヶ月以内となっていますので、この期限を守ることが非常に重要です。
必要な書類としては、支給申請書、賃金台帳、出勤簿、対象者であることを証明するための書類(障害者手帳など)、雇用契約書または雇入れ通知書などがあります。これらの書類を揃えて、管轄の労働局やハローワークに提出します。
詳細な書類等、状況によっても変わってきますのでお早目に最寄りのハローワークに相談されることをお勧めします。
支給決定と入金
書類提出後、労働局による審査が行われます。審査が通れば、労働局から企業宛に助成金の支給通知が送られてきます。起算日の6ヶ月後に、初回の助成金が企業の指定口座に振り込まれます。
ここで注意していただきたいのは、申請が不承認となった場合は特に連絡が来ないという点です。一定期間経っても通知が届かない場合は、個別に労働局へ問い合わせる必要があります。
よくある疑問にお答えします
ここでは、企業の人事担当者の方々から寄せられることの多い質問についてお答えします。
法定雇用率を満たしていなくても申請できますか?
はい、申請できます。障害者雇用の法定雇用率が未達の場合であっても、特定求職者雇用開発助成金の申請は可能です。むしろ、この助成金を活用して障害者が働きやすい環境を整え、雇用数の増加につなげていくこともできるでしょう。
入社時に障害者手帳を取得していなくても大丈夫ですか?
入社当初に手帳が手元になくても申請は可能です。ただし、書類を提出する際には障害者手帳が必要となりますので、それまでに発行や再申請の手続きを進めていただく必要があります。
第1期の申請に間に合わなかった場合はどうなりますか?
第1期の申請期限を過ぎてしまった場合でも、第2期から申請することは可能です。ただし、第2期の申請時には、第1期で必要だった書類(雇入れ時の雇用契約書、登記簿謄本、就業規則、第1期支給対象期間内のタイムカードや賃金台帳など)も併せて提出する必要がありますので、ご注意ください。
試用期間を設けても対象になりますか?
試用期間を設けること自体は問題ありません。試用期間を設けることは、正規雇用労働者として採用する上で一般的ですので、それだけで対象から外れることはありません。
ただし、第1期支給対象期間に係る支給申請時において試用期間が継続している場合や、試用期間と本採用後において雇用契約が別である場合は対象外となりますので、注意が必要です。
申請時の注意点をしっかり把握しましょう
申請を進める際に、特に気をつけていただきたいポイントがいくつかあります。
申請期間は厳守!
申請期間は、雇入れ日から6ヶ月経過した日から2ヶ月以内です。この期日を過ぎてしまうと、せっかくの助成金が受給できなくなってしまいます。カレンダーに印をつけるなど、忘れないように管理することが大切です。
支給期ごとに申請が必要です
助成金は、6ヶ月ごとの支給期に分けて支給されます。初回の申請だけでなく、2期、3期と、それぞれの支給期ごとに申請手続きを行う必要があります。1回申請すれば後は自動的に振り込まれる、というわけではありませんので、忘れずに手続きを進めましょう。
対象労働者を解雇してしまうと受給できなくなります
支給対象となった労働者に対し、事業主都合による解雇や退職勧奨による任意退職が発生した場合、その後3年間は特定求職者雇用開発助成金が受けられなくなってしまいます。せっかく受け入れた障害のある方が、安心して長く働ける環境を整えることが何より大切です。
他の助成金との併用に注意
支給対象期と重複する時期に、雇用調整助成金や労働移動支援助成金など、特定の助成金を受給する場合は、一方の助成金のみの支給となります。また、地方公共団体などの補助金等についても、併用できない場合がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
一方で、障害者トライアル雇用助成金との併用は可能です。ただし、トライアル雇用によって雇い入れた対象労働者を、トライアル雇用終了後も引き続き雇用する場合、特定求職者雇用開発助成金の受給は第2期支給対象期分からとなりますので、ご注意ください。
最後に
特定求職者雇用開発助成金は、障害のある方の雇用を推進する企業にとって、大きな支えとなる制度です。助成金を活用することで、受け入れ体制の整備や環境づくりに充てる資金を確保でき、障害のある方が安心して働ける職場づくりを進めることができます。
もしあなたの企業が障害者雇用を検討されているのでしたら、一人で悩まず、ぜひ当事務所にご相談ください。あなたの企業の状況を丁寧にヒアリングし、助成金の受給可能性や申請手続きの流れについて、分かりやすくご説明させていただきます。
「うちの会社も対象になるのかな…」
そう思われたら、まずはお気軽にお問い合わせください。障害者雇用に精通した専門家として、あなたの企業の取り組みを全力でサポートさせていただきます。
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