「年金3号」が縮小されたら——配偶者が障害年金を受給している場合への影響

社会保険労務士 土江


こんにちは!グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

「主婦年金」とも呼ばれる第3号被保険者(3号)の制度が、縮小に向けて議論されています。

「もし3号がなくなったら、障害年金を受給している我が家はどうなるの?」——

こうした不安の声をいただきます。3号の見直しと障害年金は、少しわかりにくい関係があります。この記事では、第3号被保険者制度の縮小の動きと、配偶者が障害年金を受給している場合にどう関わるのかを、整理して解説します。

この記事の要点まとめ

  • 第3号被保険者は会社員・公務員に扶養される配偶者で、保険料負担なしで年金に加入できる仕組み
  • 2025年改正では廃止は見送り。ただし「106万円の壁」撤廃などで実質的な縮小が進む
  • 2026年4月、自民・維新が「縮小方向」で合意(まだ議論段階で未確定)
  • 障害年金の受給そのものは、3号の資格に直接影響しない
  • ただし扶養する側の配偶者が退職して障害年金のみになると、3号でいられなくなる場合がある

「第3号被保険者(3号)」とは

日本の国民年金の加入者は、3つの区分に分かれています。

区分 対象者 保険料
第1号 自営業・学生・無職など 自分で納める
第2号 会社員・公務員(厚生年金加入者) 給与から天引き
第3号 第2号に扶養される配偶者(年収130万円未満) 本人負担なし

第3号被保険者は、会社員・公務員(第2号)に扶養される配偶者で、自分で保険料を払わなくても国民年金に加入できる仕組みです。いわゆる「主婦(主夫)年金」で、現在約641万人が対象です。

 

なぜ「縮小」が議論されているのか

3号制度には、「保険料を払わずに年金を受け取れるのは不公平ではないか」「共働きが増えた今の時代に合わない」といった指摘があり、見直しが議論されてきました。

  • 2025年の年金改正:3号制度そのものの廃止は見送り。ただし「106万円の壁」の撤廃(2026年10月)など、実質的に3号が縮小する措置が盛り込まれました
  • 2026年4月:自民党と日本維新の会が、3号制度を「縮小する方向」で検討することで合意

ただし、これはまだ「方向性の合意」であり、具体的にどう縮小するかは決まっていません。「国民的な議論が必要」とされており、今後の動向を見守る段階です。

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【本題】配偶者が障害年金を受給している場合の影響

ここが、多くの方が気になる点です。少し整理して考えましょう。

 

ポイント①:障害年金の受給そのものは、3号の資格に直接影響しない

第3号被保険者かどうかは、「会社員・公務員である配偶者(第2号)に扶養されているか」で決まります。あなた自身、または配偶者が障害年金を受給していること自体は、3号の資格の判定に直接は関係しません。

たとえば、夫が会社員(第2号)で、妻が障害年金を受給しながら扶養の範囲内(年収130万円未満)にいる場合、妻は引き続き第3号でいられます。障害年金は非課税で、この130万円の判定にも含まれません。(別の条件がありますので注意してください)

ポイント②:扶養する側が退職して障害年金のみになると、状況が変わる

注意が必要なのは、扶養している側(第2号の配偶者)が、病気などで退職し、障害年金だけの生活になった場合です。

会社を辞めて厚生年金を抜けると、その配偶者は第2号ではなくなります。すると、その人に扶養されていた側は第3号でいられなくなり、自分で国民年金(第1号)に加入して保険料を納める必要が出てきます(免除制度の利用は可能)。

つまり、「障害年金を受給しているかどうか」よりも、「扶養する側が会社員(第2号)であり続けるかどうか」が、3号の資格を左右するのです。

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3号が縮小されたら、どうなる?

将来、3号制度が縮小・廃止された場合、これまで保険料負担のなかった配偶者が、自分で保険料を負担することになる可能性があります。

ただし、障害年金を受給している方や、所得が少ない方については、国民年金保険料の免除制度などの救済措置があります。制度が変わっても、いきなり全員が満額の負担を強いられるわけではなく、段階的な移行や配慮措置が設けられるのが一般的です。過度に不安がる必要はありません。

まとめ

  • 第3号被保険者は「会社員・公務員に扶養される配偶者」の仕組み
  • 2025年改正で廃止は見送りだが、実質的な縮小が進んでいる
  • 2026年4月に自民・維新が縮小方向で合意(まだ未確定)
  • 障害年金の受給自体は、3号の資格に直接影響しない
  • 扶養する側が退職して第2号でなくなると、3号でいられなくなる場合がある

「我が家の場合はどうなるの?」という具体的なご相談は、状況によって答えが変わります。障害年金と年金制度の両面から、私たちが整理のお手伝いをします。

名古屋・岡崎・豊田を中心に、グロースリンク社会保険労務士法人では障害年金の無料相談を承っております。電話・LINE・オンラインでもお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1. 障害年金を受給していると、第3号被保険者になれませんか?
A. なれます。障害年金の受給自体は3号の資格に直接影響しません。会社員・公務員の配偶者に扶養され、年収130万円未満であれば第3号でいられます(障害年金は非課税で130万円の判定に含まれません)。

Q2. 夫が障害年金だけの生活になりました。妻の3号はどうなりますか?
A. 夫が会社を退職して第2号でなくなると、妻は第3号でいられなくなり、自分で国民年金(第1号)に加入することになります。所得が少ない場合は保険料の免除制度を利用できます。

Q3. 3号はいつ廃止されますか?
A. 2025年改正では廃止は見送られました。2026年4月に縮小方向で合意されましたが、具体的な時期・内容は未定です。今後の議論を見守る段階です。

Q4. 3号がなくなったら、保険料が急に増えますか?
A. 制度変更は段階的な移行や配慮措置が設けられるのが一般的です。所得が少ない方には免除制度もあります。最新の動向を確認しつつ、過度に不安がる必要はありません。

参考文献

  1. 日本年金機構「国民年金第3号被保険者の届出について」
    https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20150422.html
  2. 厚生労働省「社会保障審議会年金部会」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-nenkin_126706.html
  3. 日本年金機構「国民年金保険料の免除・納付猶予制度」
    https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

執筆者紹介

社会保険労務士 土江啓太郎

土江 啓太郎(つちえ けいたろう)

社会保険労務士/グロースリンク社会保険労務士法人 代表

皆様、こんにちは。グロースリンク社会保険労務士法人の代表、土江 啓太郎です。私たちの事務所は、”幸せ”と”利益”を両立する「いい会社」を増やすことを経営理念として、労務管理の専門知識をもって、皆様の職場での様々な課題に対応しております。特に、障害年金の請求をお考えの皆様には、適切な手続きをサポートし、権利が確実に守られるよう尽力しています。私たちのミッションは、職場の健全な発展をサポートし、労働者の皆様が安心して働ける環境を提供することです。長年の経験と専門知識を活かして、障害をお持ちの方々が公正な支援を受けられるように助言及びサポートを提供させて頂いています。これからも、皆様の期待に応え、社会全体の福祉向上に貢献することを目指していきます。障害年金についてご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。共に、より良い未来を築いていきましょう。

※本記事は2026年9月時点の情報です。第3号被保険者制度の見直しは議論段階です。最新の動向は厚生労働省・日本年金機構の公式情報をご確認ください。


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