障害年金の金額、来年はどうなる?物価・賃金スライドのしくみを受給者向けに解説!

社会保険労務士 土江


こんにちは!

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

「障害年金の金額って、毎年変わるの?」「物価が上がっているけど、年金も増える?」

名古屋・岡崎・豊田エリアで障害年金を受給されている方から、こうしたご質問をいただきます。実は、障害年金を含む公的年金の額は、毎年、物価や賃金の動きに合わせて改定(スライド)されています。ただ、そのしくみは少し複雑です。この記事では、年金額が決まるしくみ(物価スライド・賃金スライド・マクロ経済スライド)を、受給者の方に向けてわかりやすく解説します。

この記事の要点まとめ

  • 障害年金を含む公的年金は、毎年、物価と賃金の動きに合わせて改定される
  • 物価と賃金のうち、原則低いほうを基準に改定率が決まる
  • さらに「マクロ経済スライド」という調整(ブレーキ)で、少し抑えられる
  • 令和8年度は障害基礎年金が+1.9%、障害厚生年金(報酬比例)が+2.0%の増額
  • 増額だが物価の伸びには届かず、実質的な価値は目減りしている

障害年金の額は、毎年見直されています

まず知っておいていただきたいのは、障害年金の額は、一度決まったらずっと同じ、ではないということです。

公的年金(老齢・障害・遺族)は、毎年4月分から、物価や賃金の動きに合わせて改定されます。これを「スライド」といいます。物価が上がれば年金も増える方向に、物価が下がれば減る方向に、自動的に調整されるしくみです。障害年金も、このしくみで毎年見直されています。

年金額を決める「2つのモノサシ」

年金額の改定には、2つの指標(モノサシ)が使われます。

  • 物価変動率:モノの値段がどれだけ変わったか
  • 名目手取り賃金変動率:現役世代の手取り賃金がどれだけ変わったか

年金は、現役世代が納める保険料で支えられています。そのため、物価と賃金のうち、原則として「低いほう」を基準に改定率が決まるルールになっています。現役世代の負担能力を超えて年金だけが増えすぎないように、という考え方です。

もう1つの「ブレーキ」——マクロ経済スライド

さらに、年金には「マクロ経済スライド」という調整のしくみがあります。これは、少子高齢化が進むなかで年金制度を長く維持するために、年金額の伸びを少しだけ抑える「ブレーキ」の役割を果たします。

物価や賃金が上がって年金が増えるときに、その増え方をほんの少し抑える——これがマクロ経済スライドです。これにより、将来世代の年金も確保できるように調整されています。

令和8年度(2026年度)は、どうなった?

実際に、令和8年度の障害年金がどう改定されたか見てみましょう。

指標 令和8年度
物価変動率 +3.2%
名目手取り賃金変動率 +2.1%
マクロ経済スライド調整 基礎 ▲0.2% / 厚生 ▲0.1%
最終的な改定率 障害基礎年金 +1.9% / 障害厚生年金 +2.0%

令和8年度は、物価(+3.2%)より賃金(+2.1%)のほうが低かったため、低いほうの賃金を基準に。そこからマクロ経済スライドのブレーキ(基礎▲0.2%)を引いて、障害基礎年金は+1.9%の増額となりました。これは4年連続の増額です。

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増額なのに「目減り」とはどういうこと?

「増えたのに、なぜニュースでは『実質目減り』と言われるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ポイントは、物価の伸び(+3.2%)よりも、年金の伸び(+1.9%)のほうが小さいという点です。

  • モノの値段は3.2%上がった
  • でも、年金は1.9%しか増えなかった
  • → その差の分だけ、年金で買えるモノが減る=実質的な価値は目減り

これは、マクロ経済スライドのブレーキが効いているためです。金額は増えていても、生活実感としては「物価の上昇に追いついていない」という状況になっています。

「来年」はどうなる?

では、来年度(令和9年度)以降の障害年金はどうなるのでしょうか。

これは、その年の物価や賃金の動き次第なので、現時点で正確に予測することはできません。ただし、しくみは同じです。

  • 物価・賃金が上がれば、年金も増額の方向に
  • ただしマクロ経済スライドのブレーキで、伸びは少し抑えられる
  • 物価が下がれば、年金も減額されることがある

毎年1月下旬ごろに、その年度の改定率が厚生労働省から発表されます。新しい金額は4月分(6月15日の振込分)から反映されますので、その時期にご自身の年金額を確認するとよいでしょう。

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まとめ

  • 障害年金は毎年、物価・賃金に合わせて改定される
  • 物価と賃金の低いほうを基準に改定率が決まる
  • さらにマクロ経済スライドで伸びが少し抑えられる
  • 令和8年度は障害基礎年金+1.9%、障害厚生年金+2.0%(4年連続増)
  • 増額だが物価には届かず、実質は目減り。来年度は今後の発表待ち

年金額のしくみは複雑ですが、「毎年見直される」「物価・賃金・マクロ経済スライドで決まる」という流れを知っておくと、ニュースの意味もわかりやすくなります。

障害年金の金額や、ご自身の受給額についてご不明な点があれば、名古屋・岡崎・豊田を中心に、グロースリンク社会保険労務士法人が無料相談を承っております。電話・LINE・オンラインでもお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1. 障害年金も、老齢年金と同じように毎年金額が変わりますか?
A. はい。障害年金も老齢年金・遺族年金と同じしくみで、毎年4月分から物価・賃金に合わせて改定されます。

Q2. 新しい金額は、いつから振り込まれますか?
A. 新年度の金額は4月分から適用され、実際の振込に反映されるのは6月15日の支給分(4月分・5月分)からです。

Q3. 物価が上がれば、障害年金も必ず同じだけ増えますか?
A. 同じだけは増えません。物価と賃金の低いほうを基準にし、さらにマクロ経済スライドで伸びが抑えられるため、物価上昇ほどには増えないのが一般的です。

Q4. 来年度の障害年金はいくらになりますか?
A. その年の物価・賃金の動き次第のため、現時点では確定できません。毎年1月下旬ごろに厚生労働省から改定率が発表されます。

参考文献

  1. 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/gakukaitei/index.html
  2. 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_nenkin_r8.html
  3. 厚生労働省「マクロ経済スライドについて」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei01/index.html

執筆者紹介

社会保険労務士 土江啓太郎

土江 啓太郎(つちえ けいたろう)

社会保険労務士/グロースリンク社会保険労務士法人 代表

皆様、こんにちは。グロースリンク社会保険労務士法人の代表、土江 啓太郎です。私たちの事務所は、”幸せ”と”利益”を両立する「いい会社」を増やすことを経営理念として、労務管理の専門知識をもって、皆様の職場での様々な課題に対応しております。特に、障害年金の請求をお考えの皆様には、適切な手続きをサポートし、権利が確実に守られるよう尽力しています。私たちのミッションは、職場の健全な発展をサポートし、労働者の皆様が安心して働ける環境を提供することです。長年の経験と専門知識を活かして、障害をお持ちの方々が公正な支援を受けられるように助言及びサポートを提供させて頂いています。これからも、皆様の期待に応え、社会全体の福祉向上に貢献することを目指していきます。障害年金についてご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。共に、より良い未来を築いていきましょう。

※本記事は2026年9月時点の情報です。年金額・改定率の詳細は、厚生労働省・日本年金機構の公式情報をご確認ください。


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