妻がうつ病になったらどうする?家族ができる支援と使える制度を社労士が解説!

こんにちは!

グロースリンク社会保険労務士法人の土江です。

「妻がうつ病と診断された。これから、どうすればいいのだろう・・・」

不安な気持ち、とてもよくわかります。特に配偶者の方は、家事や育児をどう回すか、収入はどうなるのか、どう接すればいいのか、たくさんの不安を一人で抱えていらっしゃいます。 結論からお伝えすると、ご家族が「知っておくだけ」で使える制度がいくつもあります。そして、家族の関わり方が回復に大きく影響します。 この記事では、妻(配偶者)がうつ病になったとき、家族としてできることと、使える公的制度を整理してお伝えします。

うつ病は「気の持ちよう」ではない

最初にお伝えしたいのは、うつ病は脳の機能に不調が生じている「病気」だということです。本人の性格や気の持ちようの問題ではありません。 そのため、
「頑張れ」「気晴らしに出かけよう」と励ます
「そんなに落ち込むことじゃないよ」と否定する
「早く治して」と回復を急かす

といった声かけは、善意からであっても本人を追い詰めてしまうことがあります。

大切なのは、治療に専念できる環境を整えることと、「休んでいい」と伝えることです。ご本人は「家族に迷惑をかけている」と強い罪悪感を抱えていることが多く、その罪悪感こそが回復の妨げになります。

家族が抱え込まないことも大切

もうひとつ、忘れないでいただきたいことがあります。 支える側であるご家族自身が、心身の不調をきたすケースが非常に多いということです。 家事・育児・仕事に加えて、配偶者の看病と精神的なケア。すべてを一人で背負おうとすれば、支える側が倒れてしまいます。使える制度は使い、頼れる人には頼る。これは決して「甘え」ではありません。

妻がうつ病になったときに使える制度

順を追って整理します。

①自立支援医療(精神通院医療)
精神科への通院にかかる医療費の自己負担が、原則1割に軽減される制度です。うつ病の治療は長期にわたることが多いため、経済的な負担を大きく減らせます。 申請窓口は、お住まいの市区町村(岡崎市・豊田市・名古屋市など)の障害福祉担当課です。主治医の診断書が必要になります。診断されたら、まず検討したい制度です。

②傷病手当金(妻が会社員・パートで社会保険加入の場合)
妻が会社員やパートとして健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入して働いている場合、うつ病で働けなくなったときに傷病手当金を受給できる可能性があります。
給与のおおむね3分の2程度が支給される
最長1年6ヶ月まで
連続する3日間の待期期間が必要
注意点:夫の扶養に入っている(第3号被保険者・国民健康保険)場合は、傷病手当金の対象になりません。妻がどのような働き方をしていたかで、使える制度が変わります。

③障害年金
うつ病の症状によって日常生活や就労に大きな支障が出ている場合、障害年金の対象になる可能性があります。 初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)以降に請求できます。傷病手当金の支給期間が終わるタイミングとほぼ重なるため、傷病手当金の受給中から準備を始めておくのが理想的です。

④精神障害者保健福祉手帳
障害年金とは別の制度ですが、取得すると税金の控除・公共交通機関の割引・就労支援サービスの利用などが受けられます。障害年金と両方を申請することも可能です。

専業主婦(夫の扶養に入っている)の場合はどうなる?

専業主婦の方でも、障害年金を受給できる可能性はあります。 夫の扶養に入っている専業主婦は、国民年金の第3号被保険者として、保険料を自分で納めていなくても国民年金に加入している扱いになります。そのため、初診日に第3号被保険者であれば、障害基礎年金の対象となり得ます。 「働いていないから年金はもらえない」というのは誤解です。日常生活に大きな支障が出ているのであれば、申請を検討する価値があります。 なお、専業主婦の方の障害年金では、「家事や育児がどの程度できているか」が重要な判断材料になります。

・食事の支度ができず、家族が代わりに用意している
・掃除・洗濯が滞っている
・買い物に一人で行けない
・子どもの世話が十分にできず、夫や親の助けが必要
・金銭管理ができない

こうした実態を、診断書と申立書に正しく反映させることが大切です。「主婦だから就労状況の欄は関係ない」ということはなく、家庭内での役割にどれだけ支障が出ているかが審査されます。

夫(家族)ができる、具体的なサポート

①通院に付き添う
診察は短時間で終わることも多く、ご本人が自分の状態をうまく説明できないことがあります。家から見た様子を、家族が医師に伝えることで、診断書に実態が反映されやすくなります。 「診察室では気丈に振る舞っているが、家では一日中横になっている」といった情報は、ご家族にしかわかりません。

②日常生活の記録をつける
障害年金の申請では、日常生活の困難さが重要な判断材料になります。
何時間くらい横になっているか
入浴・着替えの頻度
食事の準備ができているか
外出の頻度
家族がどんな援助をしているか
こうしたことをメモしておくと、後で診断書を依頼する際や申立書を書く際に非常に役立ちます。

③申請の手続きを代わりに進める
うつ病の症状が重い時期には、書類を準備すること自体が大きな負担になります。ご家族が代わりに手続きを進めることも可能です。ご本人に無理をさせず、動ける家族が動く。それで問題ありません。

よくある質問

Q. 会社に知られずに手続きできますか?
障害年金の申請はご本人(またはご家族)が年金事務所で行う手続きです。勤務先に自動的に通知される制度ではありません。

Q. 夫の収入が多いと、妻は障害年金をもらえませんか?
障害基礎年金・障害厚生年金には、原則として世帯収入による所得制限はありません(20歳前の傷病による障害基礎年金を除く)。夫の収入に関係なく受給できます。

Q. 本人が申請を嫌がっています
「障害」という言葉に抵抗を感じる方は少なくありません。障害年金は治療に専念するための生活を支える制度であり、一度受給しても症状が回復すれば支給は終わります。「一生障害者になる」ものではないことを、ご本人に伝えてあげてください。

一人で抱え込まないでください
妻がうつ病になったとき、ご家族ができることは決して少なくありません。まず自立支援医療で医療費の負担を軽減する
働いていたなら傷病手当金を確認する、長期化しそうなら障害年金の準備を始める、日常生活の記録をつけ、通院に付き添う、そして、支える家族自身も無理をしない!

制度は「知らなければ使えない」ものばかりです。ご家族が知っておくだけで、家計と心の負担を大きく減らせます。 名古屋・岡崎・豊田を中心に、グロースリンク社会保険労務士法人では障害年金の無料相談を実施しております。ご本人が来られない場合、ご家族だけのご相談も歓迎です。「妻が対象になるのか知りたい」「何から手をつければいいかわからない」という段階で構いません。電話・LINE・オンラインでもお気軽にお問合せください。

 

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